ドワーフ王 /5
ドワーフ王 - 情報
私はドワーフ王に拝謁する群集に紛れ込んだ。若い国王は志高く、誰もが彼を敬愛していた。
しかし、彼の目は節穴だ。つまり、彼は古代ドワーフの栄光とスパークによる光に目がくらみ、自分の周りで何が起こっているのか分からなくなっているのだ。彼はドワーフ王国の未来のことばかりを口にするが、現在のドワーフ王国を消耗させている。
祖先がこの世に残した最後の文字を読み終えたところで、この旅もそろそろ終わりに近づいてきた。怪力紀の歴史については、ほぼその顛末を把握できたし、近い将来、そのすべてを歴史に刻もうと思う。
祖先が残した文字は、既に今の言葉に翻訳してある。好みでレトリックも加えてはいるが、内容は変わらない。祖先が残した文字を自分の旅行記に記録し、いつか誰かに見つけてもらいたいと願う。ヒーローの犠牲は、世界に銘記されなければならないのだから。